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大会長江澤えざわ 和彦  かずひこ

地域包括ケアを推進する老人保健施設への期待
―本来の役割である「在宅療養支援」と「在宅復帰」を目指して―

 この度、第13回山口県介護老人保健施設大会in宇部を開催させて頂くこととなりましたので、宜しくお願い致します。

 2017年6月2日介護保険法が改正され、老人保健施設(以下、老健施設)は、従前の「在宅復帰」に加えて、「在宅療養支援」を担う施設である定義が明確化されました。この法改正を受けての2018年度介護報酬改定であり、今後、老健施設としての役割がますます問われることとなりました。

 2018年度介護報酬改定では、老健施設が本来の機能を発揮することを目指し、努力すれば現実的に超えられるハードルをいくつか設定することを主眼として、新たに基本報酬を評価する10項目の在宅復帰・在宅療養支援等指標が設定されました。これらの10項目は、在宅復帰率の高いグループの方が在宅復帰率の低いグループより取り組んでいた項目であり、これらの取り組みを強化することにより、在宅復帰率の向上も期待されます。

 在宅復帰・在宅療養支援等指標とそれぞれの項目に応じた値は、①在宅復帰率:20②ベッド回転率:20③入所前後訪問指導割合:10④退所前後訪問指導割合:10⑤居宅サービスの実施数:5⑥リハ専門職の配置割合:5⑦支援相談員の配置割合:5⑧要介護度4又は5の割合:5⑨喀痰吸引の実施割合:5⑩経管栄養の実施割合:5であり、項目に応じた値の合計は90となります。10項目評価の合計値により、70以上:超強化型、60以上:在宅強化型、40以上:加算型、20以上:基本型に類型化されますが、「退所時指導」「退所後の状況確認」及び「リハビリテーションマネジメント」は4つの類型全てに要件化、「地域貢献活動」は加算型以上に要件化、「充実したリハ」は在宅強化型以上に要件化されています。評価項目合計値20未満等いずれの要件も満たさない場合は、その他型の類型となり、基本報酬が適正化されるだけでなく、各種加算も算定不可となる厳しい取り扱いとされ、今後存続しないことも予測されます。

 上記の10項目のうち、③④⑤⑥⑦は施設側の自助努力でコントロール可能な指標であり、仮に、①②の評価を全く満たさなくとも、在宅療養支援の取り組みにより基本型を最低限として、加算型を目指すことが可能な仕組みとなっています。在宅強化型以上の要件である「充実したリハ」は週3回程度以上の個別リハの実施が求められており、要件の中ではハードルが高いですが、評価項目のリハ専門職の配置を満たすことにより本要件をクリア出来ることとなっています。基本報酬の変動は、従来型老健施設から基本型にて+3単位・加算型にて+37単位、強化型老健施設から在宅強化型にて+6単位・超強化型にて+52単位となり、稼働状況が同等であれば、老健施設の多くは経営的にもプラスとなります。来るべき2021年度の次回報酬改定に向けて、在宅療養支援と在宅復帰の機能をより発揮することにより、出来る限り上位の類型を目指し、全ての老健施設が地域包括ケアを推進する中核となることを大いに期待しています。

 大会への多数のご参加と皆様の活発な意見交換により、老健施設が地域で住民の方々により一層貢献して頂けるよう祈念申し上げて、ご挨拶とさせて頂きます。

2019(令和元)年10月

大会会場

大会会場写真

楠総合センター

〒757-0216

山口県宇部市大字船木字野田442番地11

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FAX (0836) 67-2227

大会事務局

介護老人保健施設 寿光園

〒759-0204

山口県宇部市大字妻崎開作470‐3

TEL 0836-44‐4500
(平日9:00~17:00)

FAX 0836-44‐4160

E-mail:taikai@yamaguchi-roken.jp

担当:小松、田中

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